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レーザー

CO2レーザーとファイバーレーザーの違いと比較 メリット&デメリット

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昨今様々な場面でレーザーが利用されていますが、産業用の切断に使用されているCO2レーザーとファイバーレーザーの話をしたいと思います

 


レーザーの教科書

 

・レーザーとは

そもそもレーザーとは何か

色々なサイトで難しい説明をしていますが、一言で簡単に言うと

👉【人工的に作られ、指向性をもった電磁波】

真っすぐ進み、まとまりのある人工的な電磁波なんだと思ってください

光ではないの?という方がおりますが、光は電磁波の中の一種(一部)

ざっくりこんな感じ、これ以上ここでは掘り下げません(キリがないので)

 

・電磁波とは

「電磁波」ですから その性質は波(分かりやすいように粒でもある説明は割愛します)、 電場と磁場の波があわさって出来ている

 

電磁波は波長により性質が大きく違う。

その中でも、 λ(波長)=約 380~ 760 nm がいわゆる可視光線といわれる目に見えている光

波長が長くなれば赤外線や電波、ラジオや携帯電話などに利用されたりする

逆に短くなれば紫外線やx線、レントゲンなどに利用されたりする

波長が短くなるにつれエネルギーが高くなっていく

よく「紫外線は肌に悪い」と言われているのはそのため

波長が短くなるほど人体にとって悪影響を及ぼす

 

 

・CO2レーザー

◇発振器(レーザーを作り出す装置)

一般的に気体レーザーと言われており、ガラス管の中に混合ガスを入れて放電させてレーザーを発生

内部のミラー間で増幅させてレーザーを取り出す

◇光路

レーザーの伝達はミラーを返して行う

※波長が長い為光ファイバーでの伝達は不可能

◇出力波長

10.6μm(10600㎚) 遠赤外線になる

 


リケン レーザー保護メガネCO2レーザー RSX4CO2

 

・ファイバーレーザー

◇発振器

こちらは個体レーザーと言われており、起源はダイオード

イメージ的には大きなLEDから出た光を、細く伸ばした結晶(ファイバー)の中で増幅させてレーザーを作る

 

◇光路

レーザーの伝達は光ファイバーを返して行う

 

◇出力波長

約1060㎚ 近赤外線

CO2レーザーの波長の1/10

 


レーザー光完全吸収メガネ YL-717 ファイバーレーザー /1-6700-13

 

・比較

 

CO2レーザーは放電によってレーザーを作り出す、そのため多くの電気を消費し、ほとんどが熱となってしまう。

変換効率が悪い上、熱になってしまった物を冷やす為に冷却設備が必要

その冷却設備も電気を消費する

一方ファイバーレーザーは半導体でレーザーを作り出す

電気からの変換効率が良い、熱もあまり発しない。

一般的には消費電力はCO2レーザーに比べて1/3と言われている

 

CO2レーザーの光路はミラーを返して行われるのでミラーが必要となってくる

当然むき出しのミラーなので汚れたり傷がついたりする

3次元のレーザーともなればミラーの数は6枚~7,8枚と多くなり、メーカーによるアライメントの調整が必要になる

定期的にミラー交換が必要で、その際は点数も多く、部品代や交換費用が高額になってくる

 

一方ファイバーレーザーはレーザー発振器からレンズまでつながっており、汚れや傷のリスクが少ない

ミラーと違いアライメントがズレるということが発生しない。

 

上記をもって、CO2レーザーよりファイバーレーザーの方がランニングコストが低いといえる

 

・ファイバーレーザーのデメリット

フルカバーでの使用が絶対

波長が短い為目に入った場合、眼底に深刻なダメージを受ける。最悪失明する

 

イニシャルコストが高い

今はまだCO2レーザーの方が安価

今後ファイバーレーザーが主流になっていけば、価格は下がってくるはず

 

厚物の切断はまだCO2レーザーに軍配が上がる

加工できない訳ではないのでデメリットにはならないのかもしれないが、欲をいえば切断面はCO2レーザーのほうが綺麗

 

 

・まとめ

例えるならCO2レーザーは蛍光灯、ファイバーレーザーはLED

CO2レーザーはイニシャルは安いがランニングが高い

技術的には成熟している

 

ファイバーレーザーはイニシャルは高いがランニングが安い

発展途上中、まだまだ未来がある

 

蛍光灯を使い続けますか?

LEDに変えますか?

 


絵とき レーザ加工の実務 第2版-CO2&ファイバレーザ作業の勘どころ-

 

 

これはすべて個人的な趣味での調査と見解により書いています

この記事に間違いがあったり、誤解を招く表現があった場合はご指摘頂けると助かります

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